助けるのは人だけじゃない
Value
私たちがどのような想いで事業を考えているかを、Mission, Vision, Valueの言葉で入職を希望される皆さんにお伝えします。
バリューというのは、私たち医療法人職員の心構えです。ミッションやビジョンを達成していくのに欠かせない要素になります。
最初の1つはalways innovation。innovationは革新という意味です。いつも革新を!ということですが、これを他の日本語にすると「現状維持 即是後退」ということでもあります。
日々変わらず平穏な毎日はとても大切ですが、仕事において"変わらない"ということはキケンだという認識をもって欲しいのです。
患者さんが困っていることがあるのに"変わらない"ということは、それを放置して無視していることになります。職員が仕事をする上で難儀しているのに"変化が起こらない"とすれば、そんな職場で働きたくありませんよね。
どこかに困っている人はないだろうか?それを解決するにはどうしたらよいだろか?とメンバー全員がいつも思っていて欲しいのです。
モノゴトを変化させるのは大変だ!と思う方があるかもしれませんが、そんなことはありません。わずかな変化でも変化させることに抵抗を少なくするには慣れと時間が必要ですが、スクラップ&ビルドの精神で、やらずに後悔するよりもやって後悔して、やってみてダメならストップさせればよいのです。
変化に躊躇しない集団になると、わたしたちはすごい勢いで上昇気流にのることができます。
To teach is to learn.
Be a change agent,
always innovation.
2つ目のバリューはTo teach is to learn. "教えることは学ぶこと"です。
他人に教えると、その人には学びが何倍にもなって返ってくるものです。自分自身の成長のためには誰かに教えることがもっとも効果的な方法だと言われています。
有名なラーニングピラミッドというのがありますが、講義で教えてもらうことの知識の定着率は5%しかありません。それに対して誰かに教える場合は90%もあります。
自分には教えることなんてできないと言う人もあると思いますが、誰にだって他人に教えることができるはずです。
たとえば小学生でも2年生は1年生に、3年生は2年生に教えることがあります。少なくてもよいのです。1年生だって未就学児に教えることがあります。
同じように社会人2年生は1年生に、3年生は2年生に、これまで経験した知識や体験を教えることがあります。教えるときには100点満点を目指さないことです。そして学ぶ側も100点満点を期待しないことです。1点でも学ぶことがあればと思う人がトクをするものです。
またAさんに教えたら、同じことをBさんやCさんにも教えましょう。エビングハウスの忘却曲線によると、覚えたことは1日で74%も減っています。ときどき繰り返すことで復習となりやがて記憶への定着率が上がります。
教え合うことが自然にできるようになれば、わたしたちの成長速度はさらに高い角度で描くことができるようになるはずです。
Help each other.
最後の3つ目はHelp each other.です。お互い様の精神と呼んでいます。
他人は何の苦もなく働けているように見えるものですが、それは違います。
ある人は健康上の不安があったり、子どもや親御さんのことで悩んでいたり。ご近所付き合いや、知人友人のこと、金銭的な問題など様々な事情を抱えているものです。
見ればただ なんの苦もなき 水鳥の
足に暇なき我が思いかな
水戸光圀
水戸光圀というと、水戸(現在の茨城県)の黄門様で知られる徳川家康の孫で、水戸の御殿様です。
その光圀公にある人が「黄門様は、お城があって、いい暮らしができて、何の苦労もないからいいですよね」と言ったところ、この詩が返ってきたそうです。
水面をスイスイと泳ぐ水鳥は、平然としていて、その姿は美しくも見えます。しかし、水面下ではものすごい勢いでバタ足をしています。
表面的に見えないところで、御殿様は御殿様のせわしない思いがあるのだという意味の詩です。
他人はともすると自分のような辛い思いはしていないだろうと思いがちですが、そんなことはありません。その人はその人なりの苦労を味わっているものです。
働く人それぞれが、お互いの立場を思い遣り、想像力を高めて「お互い様だなぁ」と想えたら、きっと働きやすい職場になると考えています。